ヘボット!オールナイト上映会感想
10月14日~15日に東京の新宿で行われたヘボット!オールナイト上映会に参加しました。私は東京に住んでいない、いわゆる遠征勢。一度見たアニメを見るために遠出するのも変な気がするけれど、まあそれほど好きってことです。同じ日に色んなアニメイベントがある中からこれを選んだからには楽しむぞ!と気合たっぷりで臨みました。
イベントは14日の23時半開始。街灯でいっぱいの大都会も薄暗くなる頃に入った会場の映画館は、地下に劇場が1つだけの小型施設で、すでに満員の参加者が入っていて、ヤバいイベントが始まるのだなあと思いました。
驚いたのは男女比がほぼ半々ということ。こういうイベントだと95:5くらいでどちらかの性別が多いイメージだったので。子供向けの形をとったアニメは性別が偏りにくいのかも。
イベントは、まずトークショーがあり、その後厳選された10話が放送されるという流れでした。
しかしその前にとても大事なことが1件。DVD-BOX注文数の発表です。ヘボットのDVD-BOXは受注生産で注文数が増えるほど特典が豪華になる企画を行っており、イベント終わりの15日が注文締め切りということで、この場で数字が発表されることになっていたのです。
1週間前の中間発表では目標数まであと少しまで迫っていたため、司会者が注文数を発表すると告げると、参加者は早くも数か月にわたる長い闘いの勝利を確信してどよめいています。
そして映画館のスクリーンに目標を大きく上回る数字が表示されると、参加者たちは感情を爆発させました。それは喜びの渦。歓声と拍手はいつまでもいつまでも続くようでした。
参加して良かったなと早くも思いました。
会場が暖まったところでトークショー開始。記録に残らないことが前提のイベントのため、あまり内容のことを言うのも良くないと思うので、出演者の皆さんへの印象を書きます。
・プロデューサーさん
司会を担当。喋りが本職じゃないことが伝わってくるけれど、他の方と一緒に作品を作ってきた立場から、一般の司会者とは違う距離の近さがあって良かった。参加者が盛り上がりすぎて次の話に移るタイミングを失わせてごめんなさい。
・監督さん
非常にノリが良くて、この作品の監督あってのこのアニメなんだなあと。Twitterネタを連発していたらしいけどわからなかったのが残念。
・シリーズ構成さん
かっこいい。顔としゃべりがかっこいい。職人って感じがする。あと自らもボケつつまとめ役もこなしていたのがすごかった。
・ネジル役の声優さん
ふわふわしている。何か言おうとするとき、スムーズに言葉が出てこないから何も伝わらないんだけど、何かを伝えようとしていることは激しく伝わってくる、そんな人だった。これぞ女性声優って感じ(偏見)。
・ヘボット役の声優さん
恐ろしくイベント慣れしている。トーク前後のあいさつ、ハンドマイクの使い方、危険なネタとの距離感、全てが的確だった。映像で見たことのある上に伸び上がるような笑い方を生で見られて嬉しい。メイドインアビスを見とけばよかったなあ。
・シークレットゲストさん
もしかしたら出てくるんじゃないかと心の隅で思っていたら本当に登場したのでびっくり。作られたイメージ通りのすごいキャラクターで暴れまわった。こういうとき声優でしか例えられない人間なんだけど、高橋未奈美みたいなテンション?
出演者たちは「この後5時間がんばってね!」と言い残して退場していきました。自分たちが作った作品は見る者の体力を削るとわかっている発言です。というわけでメインの上映会スタート。5時間の長丁場です。深夜にヘボット5時間とか正気か。
さすがにみんなよく笑います。こんなに笑い声が聞こえる上映会は珍しいかもしれません。内容を把握している人が集まっているだけあって笑いどころがわかっており「アハハハハ!!!」と元気よく笑い声があがります。人気のある場面ではギャグの数秒前から笑っている人も。
ところで、ヘボットではギャグとシリアスが混ざったような場面があります。そのときには「アハハ・・・」と笑い声が半減するところが、信頼できるってなもんです。
特に、一見コミカルな演出だけど100%シリアスという場面があって、それが流れたときには「・・・」と誰も声をあげなかったことが強く印象に残りました。ヘボットが好きで真剣に見ている人がこの場に数百人集まっているのだと実感し、体の奥から湧き上がる高揚感がありました。
上のような場面もあるものだから、何も気にせず笑える場面は大切です。
・パチボット
・流れ星
・田中
・意味のない踊りを踊ってる人
このあたりのキャラが出るとみんな楽しそうに笑っていました。
そうそう。「劇場版ヘボット」という言葉だけでニヤニヤできるのは上映会ならではの体験でした。
全予定が終わった後のロビーでは、すぐには帰らずに何やら集まって会話している人がいました。ヘボットのイベントで知り合った人が再会を喜んでいるようでした。ヘボットでつながった人達、これをヘボクラと呼ぶらしい。ヘボットは狂った映像かもしれないけど、人を繋ぐ力もあるのです。
イベントを終えて外に出ると、そこは「にちようびのせかい」。そこにヘボット達はいない、彼らは色んな世界に飛び立っていったんだ・・・。早朝の人が少ない大都会の風景を見ながらそんなことを想うとちょっと寂しくなったのでした。
(でもヘボットガチ勢はエア実況していたみたい・・・)